ここ最近「デスク裏DIY」として普段使用しているPCデスクの後ろをガッツリDIYしていました。
今回はこのデスク裏の何も特徴もない壁一面を、ホームセンターに売っている「貫材」を使用してガラッと見た目を変えていきます。
この記事は過去のインスタで投稿してきた貫材を壁に貼るDIYの総集編なので、少し長い記事となっていますが、よろしければお付き合いください。
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DIY始めてみたい、やりたいけど自分一人だと不安という方のために、ゼロからひとつの作品を完成するまで超絶優しく丁寧に寄り添うトータルサポートを始めました。
詳しくは下記リンクから、もしくはインスタのDMまでご連絡ください。
板張りをするデスク裏を紹介
板張りをするのは、僕が普段使用しているPCデスクの後ろになります。
写真を見て分かる通りデスクの後ろは何にもありません。。。
住まいは3年前に建てた注文住宅なので比較的きれいなんですが、現状のデスク裏はごくごく一般的な壁紙と窓があり、カーテンが付いているという普通の一室になります。
PCデスクはこんな感じ
一旦本題から脱線してPCデスクを紹介しておきます。
細かいパソコンやモニターなどのガジェット類は置いておき、みなさんが興味が出そうな自作の木工雑貨の品々をサクッと紹介しておきます。
じつはデスクの天板は木製の玄関ドアなんです。
元々木工所である職場に破棄寸前で置いてあった物を使いやすいサイズにカットして持ち帰ってきました。
玄関ドアというだけあり、厚みがしっかりしていて、無駄に断熱材も中に入っています!
表に米松の板が貼ってある作りで、頑丈なので飽きない限り一生使っていけます。
玄関ドアのデスクには当然ですが収納が全然ないので、ニトリで購入した収納グッズをボンドでガチガチに固定しました。
これでデスク上のスペースを使わない自作の浮かした収納の完成です。
僕はデスクの上にあまり物を置きたいくないので非常に使い勝手がいいです。
キーボードやマウスを操作しやすいように傾斜台を使っています。
自分の使用する道具に合わせて製作したのでサイズ感は完璧です!
キーボードの手前にあるのが手首を乗せるアームレスト。
もちろんこれも自作で、ウォールナットの無垢材で製作しました。
他、細かい雑貨類も全て自作です。
- ペン立
- ティッシュBOX
- 小物置き
- アロマスタンド
- ラック
これら全部が銘木のウォールナットで揃えた品々でお気に入りです!
他にも紹介できるものはありますですが、それそろ本題に戻ります。
今回のDIYをする理由は「ビデオトークの映え」を意識
最近ではDIYアドバイザーとして活動する中でビデオトークをする機会が増えました。
それこそインスタライブをやったり、DIYのトータルサポートなどもやっているので背景が殺風景よりは「DIYアドバイザーらしい背景にしたい」という思いも今回のデスク裏のDIYをやるきっかけです。
そのためにこの真っ白な壁を貫材を使用してDIYの味のある背景を目指します。
板貼り用に使用する「貫材」の特徴
それでは今回主役の材料を紹介します。
それがこの「貫材」です。
貫材は知ってる方もいると思いますが通常壁に貼る材料ではありません。
ホームセンターでは貫材とか野地板などの名称でキレイに製材されずバンドでまとまって売られている木材のことです。
一般的には建築現場などで使用します。
室内の板張りという見た目を気にしたところに使用することを目的とした木材ではないということです。
ただし、この貫材は他の羽目板などの商品に比べて圧倒的に安く買えます。
そして、ある意味いい感じに荒っぽい見た目です。
10枚で1480円は通常の壁張り用の板材に比べて圧倒的に低価格!
おそらく壁用の板材より半値でも余裕で買えます。
貫材をDIYで使用する問題点
とはいっても、貫材はさまざまな点でDIYで使用するには問題があります。
大きくはこの4点が上がります。
- 木材が乾いてない
- 反りが大きい
- 表面が荒い
- 木目が悪い
詳しくは以前書いたこちらの記事で解説しているのでこちらを読んでみてください。
作業編0.貫材を乾燥させる
ここからは実際の作業編をお伝えします。
まず一番最初にやることが「貫材の乾燥」です。
貫材はホームセンターに売っている状態では通常のDIYなどで使える水分量になっていないんです。
なので、一度しっかりと時間を掛けて乾燥をさせます。
1枚1枚隙間を開けて風通しをよくしておきます。
自宅にいるときは作業部屋の窓も開けておき風の流れを作っておきます。
本来なら1〜2ヶ月は時間を掛けておきたいところですが、この時期は12月で比較的乾燥しているのと、年末年始の休暇で終わらせたいということから2週間ほどを乾燥期間としました。
木材が未乾燥だと何がダメ?
ここで、おそらくこの疑問を持っている方もいると思うので解決しておきます。
「木材が未乾燥だと何がダメなの?」ということ。
木材が未乾燥だと、ざっとこのような不具合が出てきます。
- 乾燥したとき収縮する
- 乾燥したときに反ったり変形する
- 壁に貼るとカビが生える可能性がある
キレイに貫材を壁に貼れたとしても、乾燥して縮んで隙間が発生したり、乾燥したら反ってきたりする可能性があります。
また、今回は壁に貼るので未乾燥で水分を多く含んでいると、貫材の裏の壁に水分が溜まりカビの原因になる可能性があります。
特に木材のカビは油断できないので、しっかりと乾燥させてから壁に貼っていくこととします。
作業編1.貫材をベルトサンダーで研磨
乾燥が終えたら壁に貼れる材料にするため本格的に作業を開始します。
上の写真が作業前の貫材の写真になります。
「表面が汚くて荒いですよね。」
ということで、まずは貫材を研磨してキレイに仕上げていきます。
ベルトサンダーの紹介
研磨をするのに使用するがこのベルトサンダーです。
電動サンダーの中でもあまり見れれないサンダーです。
このベルトサンダーはオービタルサンダーやランダムサンダーに比べてベルトの回転により高い研磨力があります。
この研磨力を活かして粗いベルトを取り付け木材をガッツリ研磨をするのに使用するといいんです!
つまり今回の表面の荒れた貫材の研磨に使用するのに向いているということ。
こちらがベルトサンダーの研磨する場所になります。
ベルトがこのような形状で荒材への研磨のため#60とかな目の粗い物を使用します。
(通常は180〜240が中仕上げに使われる粗さ)
研磨力が高いので、集塵機との接続は必須です。
集塵機がないと屋内ではすぐに部屋中木の粉塵真っ白になってしまいます。
集塵機に関しては過去にレビューをしているので参考にしてください。
ベルトサンダーで貫材を研磨する手順
ベルトサンダーは研磨力が高くベルトの回転運動のせいで、サンダーを抑えるのに力が必要です。
貫材は合計30枚あり全部を一気にやるのは大変だったので2、3日に分けてコツコツ仕上げることにしました。
材料がサンダーの回転で動いてしまうので、クランプで挟んで作業をするとやりやすかったです。
それではベルトサンダーでどれだけ表面がキレイになったのかをお見せします。
上の写真が研磨前になります。
こちらがベルトサンダーで研磨後になります。
かなりキレイになりました。
あえて、完全にキレイにせず若干荒い部分を残すことで、ビンテージ感が出るという都合のいい理由をつけて、途中からサボり気味に仕上げることにしました。
貫材全部を研磨しました!
作業編2.貫材をカットする
次に貫材をカットしていきます。
今回の貫材はキレイに貼るとか、「均等」、「整列」のような言葉よりは「ランダム」、「ちぐはぐ」といったなどバラツキを演出したいと思っています。
ですので、切る長さにもランダム感を出すことにしました。
切る長さはおおよそ、20cm40cm60cmの3種類にカットするのと、材料の取り方の関係で長さの指定なく適当にも切っています。
スライド丸ノコには専用の台を取り付けてカットします。
写真に写っているストップブロックを使うことで何度も同じ長さにカットすることができる優れもの。
カット時のポイントはまず、割れや見た目の悪い節などを取り除くようにする。
見た目が悪いものは短い材料に比較的キレイなものは長い材料として使用します。
こんな節は見た目が悪いので使いません。
このように、なるべく節を取り除けるように材料をどうカットするのか考えるのが重要です。
このように反りが大きいものは長い材料としては使いにくいので、短い材料にして使用します。
このように貫材の切り出しが終わり。
作業編3.貫材の裏を溝加工
貫材の裏側に溝を付けていきます。
溝を付ける理由は3つあります。
- 反りへの対策
- 余分なボンドの逃げ道
- 壁との隙間を確保
1つ目の溝を付ける理由は「反り対策」です。
反りがあると貫材を壁に貼るときにうまく貼れなかったり、一部が膨らんだ状態になってしまいます。
その対策として溝を付けておくと、溝のおかげで板が曲がりやすくなり、反りのある板でも壁に貼りやすくなるんです。
2つ目に「ボンドの逃げ道」という役目があります。
ボンドが付けすぎると貼ったときに板と板の隙間から出てきてしまい見た目を悪くしてしまいます。
溝があると余分なボンドは溝部分に残るのではみ出ないというわけです。
3つ目に「壁との隙間の確保」です。
木材と壁が常に密着していると梅雨の時期などで、もしかしたらカビが生える可能性がゼロではありません。
なので、裏に溝があれば少なからず風の通り道ができます。
通気が確保されていればカビ生えるリスクを大きく下げることができるということです。
貫材に直行する溝加工をスライド丸ノコでやる
溝の付け方はまず直行する場合は引き続きスライド丸ノコを使用します。
スライド丸ノコは刃の下げ具合を調整できるので、貫材の1/3ぐらいの深さになるように調整して溝を付けます。
溝の間隔はだいたいで超適当です。
これで直行する溝加工が完了です。
次に並行する溝も付けていきます。
並行する場合は長い距離の溝になるので、スライド丸ノコではできません。
なので別の工具を使用します。
並行する溝を自作のテーブルソーでやる
それがこちらです。
『自作のテーブルソー』になります。
いろいろと制作途中で終わってしまっているのですが、この程度の深さの溝加工ならこのテーブルソーでできます。
自作の並行ガイドを合わせて貫材を通して溝を付けます。
自作テーブルソーの作り方はコチラから
ここに刃があります。
このように手前から奥に貫材を滑らします。
左右やればこの通り!
これで、直行、並行と2方向に対する溝を付けることができました。
ちなみに、このテーブルソー作りはYouTubeでも公開しており、一番バズった動画になります。
よろしければご視聴お待ちしています。
作業編4.貫材の角を鉋で面取り
次は貫材の角の面取りをします。
最初は面取りをするかを悩んだんですが、いろいろ考えた結果やることにしました。
それは、反りや厚みなどばらつきのある貫材は、上の写真のように継ぎ目で段差ができてしまいます。これがおそらく貼ったら目立つということと、単純に触った時に少し危険なので今回は面取りをすることにしました。
面取りはサンドペーパーでもトリマーでも可能ですが、今回は鉋(かんな)を使用することにしました。
鉋で1辺3回程度角を削ります。
面取りした貫材がこちらです。
板と板のずれが目立たなくなり、面取りの効果でなんだか立体感が出ました。
これは完全に想定外の効果です!
継ぎ目もいい感じに違和感がなくなりました。
鉋に関しては初心者向けにいろいろと記事を書いているので参考にしてみてください。
作業編5.貫材をワックスで塗装
加工を終えた貫材に塗装をしていきます。
今回の塗装はすべてワックスを使用し、ワックスは全部で3種類の5色を使用しました。
なぜ、塗料にワックスを選んだ?
ここでなぜ数々の塗料がある中で今回はワックスを選んだのかを解説しておきます。
簡単にいうと、アンティークやビンテージのようなちょっと古材風の味わいを出したかったからです。
ワックスはニスのように塗膜を作ることもなく、自然の風合いを残しながら色付けをすることができます。
塗膜を作らない塗料にはオイルもありますが、オイルはワックスに比べてハッキリとした色の仕上がりになりやすく、またツヤがほとんどでません。
この程よく古っぽさというか、いい雰囲気の演出にはワックスがピッタリということで今回はワックスを選択したというわけです。
ちなみに、ワックスは「ビンテージ」「オールドウッド」「アンティーク」といった単語を使用した色名が多くラインナップされているので、ここからも風合いの演出に力を入れているのがわかりますね。
それではワックスを塗ってみた仕上がりや、どんなワックスを使ったかは次で解説します。
ブライワックス、オールドウッドワックス、ビンテージワックス
こちらがブライワックスでアンティークパインとラスティックパインの2色を準備しました。
オールドウッドワックスで、チェダーオークとスモークグレーの2色です。
ビンテージワックスで、ウォルナットの1色を準備しました。
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ワックスの比較に関してはインスタでまとめているのでよろしければ参考にしてください。
ワックスを塗る手順
ワックスは100均のスポンジを使用しました。5色のワックスを塗り分けるので5つのスポンジが必要ということで6つ入りで100円のスポンジがありがたい。
確か購入したのはSeriaです。
木にワックスを塗るとスポンジはどんどん傷んでくるので塗る木材の数が多い場合は替えも準備しておくといい。
ワックスは塗るというより擦り込むようなイメージ。
一部ワックスを塗る前に使用する下塗り剤も使用してみました。
ワックスは木材表面の塗装ですが、下塗り材は木材の奥に浸透するように着色できるのでよりしっかりと色つけをしたいときに使えます。
こちらがワックスで塗装を終えた貫材。
全体の割合は左の明るい茶系を6割
濃い茶系を3割
グレー系を1割
の配分にしました。
イメージとしては明るい茶をベースとし、グレーはアクセントに入れる感じです。
左がアンティークパインとラスティックパイン。
中央がチェダーオークとウォルナット。
右がアンティークグレー。
アンティークグレーは下塗り材も塗った方が色の濃さが好みだったのでほとんど下塗りもやっている。
これが5色の早見表になる。