DIY実例紹介

【木ダボで巾接ぎをする】無垢材を繋いでランチョンボードを制作する

垢材を繋いで ランチョンボードを制作

ランチョンボードって分かりますか?

食事の時に食器の下に敷くのはランチョンマットです。

こんなやつです。

これの木材で制作したボードタイプのものをランチョンボードといいます。

 

というわけで、今回はランチョンボードを制作したので、制作過程や作り方などを紹介します。

 

この記事のDIYテクニックポイント

  1. 木ダボを使用して巾接ぎをする方法が分かる。
  2. ノギス、直尺、白柿、毛引きを使用した正確な墨付けの仕方が分かる。
  3. ドリルガイドを使用したまっすぐ穴を開けるやり方が分かる。

 

過去の制作した作品はDIYは下の一覧で見ることができます。

素人レベルから上達していく建具職人の木工,DIY作品集こんにちは、木工職人で木工DIYクリエイターのNaotoです。 木工職人として働きながら、Youtubeで動画の投稿を中心として、...

 

材料はオークとウォールナットを準備しました

材料となる木材ですが、今回はオークとウォールナットの2種類を使って2つのランチョンボードを制作していきます。

 

材料を並べて、表裏、木目を決めていく

無垢材なので、当然ですが1枚1枚木目が違います。

なのでどの板を表にするか裏にするかや、外側にする板と内側にする板などを一枚一枚見て決めていきます。

 

例えば節がある面は裏にしたり、きれいな側面の物を外側に使用するなども見るポイントです。

 

表裏、板の順番を決めたら、写真のようにマスキングテープを張ってテープに番号を振っておきます。

実際にテープを使用しないで、直接木材に番号を鉛筆などで書いてしまっても、最終的にサンダー掛けで消えるので問題ないです。

 

ただ、今回はこのようにマスキングテープを使用しました。

木ダボで巾接ぎをする加工の工程

ここからは木ダボを使用して木材を繋ぐための加工をしていきますが、加工の工程は大きく3つの工程に分かれます。

 

木ダボで木材を繋ぐ工程

  1. 墨付けで木ダボを取り付ける位置を決める。
  2. ドリルで木ダボの位置に穴を開ける
  3. クランプを使用して材料を繋げる

という工程で加工をしていきます。

 

ダボマーカーは使いません

今回は木ダボで木材を繋ぐ方法でよく使われるダボマーカーは使用しません。

 

正確な墨付けと正確なドリルの加工による方法で行います。

なので今回の方法だと木ダボの位置を端から寸法を測って決めるので、材料の長さがピッタリ合っていないといけませn。

なので、つなぐ木材の長さは一度ピッタリ揃えてください。

でないと、木ダボの位置がズレてしまいます。

端から寸法を決めて印を決めるので木材の長さはピッタリ揃えること。

 

木ダボで巾接ぎ 1.墨付け

木ダボで巾接ぎをするためにまずは木材に墨付けをしていきます。

つまり、どこに木ダボを取り付けるか印を付けていくということです。

 

今回墨付けにはこの4つの工具を使用していきます。

  1. 毛引き
  2. ノギス
  3. 直尺
  4. 白柿

では各工具の使い方を説明しながら墨付けの工程を解説して行きます。

 

1-1.毛引きで木材の中心線を引く

まず使用するのが毛引きです。

毛引きとは写真ような工具でDIYや木工に詳しい方でないと見たことすらないのではないでしょうか?

この毛引きという工具は材料の端に毛引きの広い面を当てて引きながら毛引きの刃で均等な印を付ける工具です。

 

↓毛引きに関しての詳しい使い方
┗【毛引きの使い方】DIYで精度よく平行な線を引く方法

 

そして、この毛引きを使用して部材の中心に線を引いていきます。

このように刃の出を材料の真ん中に合わせて引いていきます。

真ん中に合わせるのは両端から毛引きを通してみて同じ位置に来たら中心に引けているということになります。

 

また、毛引きを当てる位置は必ず同じ面からにしましょう。

例えば表面に毛引きを当てると決めたら、すべての材料を表から毛引きを使うようにします。

同じ面から印をつけた方がつなげた時に部材どうしのズレが少なくなります。

  • 両端から毛引きを通して中心を出して印をつける。
  • ズレを少なくするために同じ面から毛引きで印をすること。

 

というわけで、毛引きを使用して各材料の木ダボを付ける面に中心線を引くことができました。

 

1-2.ノギスで両端の木ダボの位置を決める

次にノギスを使用して両端からの木ダボの位置を墨をします。

今回は端から50mmで木ダボの位置としました。

今さらですが、端の木ダボの位置をはもっと寄せてもいいと思いました。

端はズレたり割れやすいので50mmの半分で25mmでもよかったと思います。

 

ノギスをこのように使用して正確に印をつけていきます。

この時、印をするのに使用している道具が白柿という刃物のような印をつける道具で、薄い線傷を付けることで鉛筆やシャーペンより細い印を付けることできる木工職人がよく使用する墨付け用の道具になります。

 

ノギスに関してはいろんな使い方があるので、また別の機会に紹介しようと思います。

 

1-3.直尺を使用して内側の木ダボの位置を決める

先ほどのノギスでは端から50mmの位置に印を付けました。

次に内側にも木ダボを取り付けたいので内側は直尺を使用して印を付けます。

というのも、私の所有しているノギスが150mmまでしか使えないので必然的に直尺で印を付けることになります。

 

また、この時の直尺には直尺用のストッパーを取り付けて印をしたい長さの位置にストッパーを固定することで毎回同じ位置に印をすることができるようになります。

なので、ズレのない印を付けることができるというわけです。

 

↓直尺とストッパーの便利な使い方に関しての記事
┗ステンレス製直尺とストッパーを使いこなして正確な印を付ける方法を解説

 

木ダボで巾接ぎ 2.穴あけ加工

次に印をした位置に木ダボを入れる穴加工をしていきます。

この時に使用するのがドリルガイドになります。

このドリルガイドを使用することでまっすぐに穴を開けることができて、木ダボをまっすぐ入れることができます。

 

まずはこのドリルガイドに付属してる、先端の尖ったセンターポンチで穴を開ける位置に小さい穴を付けていきます。

こうすることで、この後の穴あけ時にズレなく開けることができるようになります。

 

そして、ドリルガイドには8mm用のガイドが付いているのでこれを使用して穴を開けていきます。

もちろん木ダボのサイズも8mmということになります。

 

 

この時にドリルガイドを抑えながらインパクトドライバーもしくは電動ドリルで穴を開けていきます。

穴を開ける深さは木ダボの1mmほど深く開けるようにしました。

 

下の記事は私がDIY用に値段が安くてオススメの電動ドリルを紹介している記事です。

よろしければ参考にしてみてください。
┗【DIYにオススメ】安い、パワフル、高性能なTOPELEKの電動ドリルを紹介

 

木ダボを入れる穴加工が完了

こちらが穴加工が終わった状態です。

パッと見てきれいに加工ができているのがお分かりかと思います。

今回はめんどくさがり木ダボを3か所取り付けるようにしましたが、正直3つは少ないです。

4か所以上は木ダボを入れても良かったと思いますが、自分たちで使用するだけなのでまあいいとします。

木ダボで巾接ぎ 3.木ダボで巾接ぎをする

では、穴加工も終わったので、実際に木ダボを使用して組み合わせていきます。

まず、ボンドを穴に入れてから木ダボを差し込みます。

ちなみに使用しているボンドは通常の木工用ボンドより強力で家具職人などが使用しているタイトボンドというボンドを使用しております。

木ダボを差し込んだらそれ以外の部分にムラなくタイトボンドを塗っていきます。

後々はみ出たボンドはちゃんと拭き取るので今ははみ出ても問題ありません。

 

ボンドを付け終わったらこのように組み合わせます。

この組み合わせ時にはゴムハンマーがあると叩いて入れることができるのでやりやすいです。

通常のトンカチだと材料を傷つけてしまうので使わないようにしてください。

 

組み合わせたら、はみ出たボンドを一度拭き取り、最後にクランプでガッチリ締めていきます。

この時クランプを片面からだけで締めると反りが出てしまうので写真のように3つのクランプで締めるなら前後交互にクランプを取り付けるようにします。

 

クランプで締めるとまたボンドが出てくるのでしっかりと拭き取っておきましょう。

ノギスで印を付けるときに言いましたが、端からの木ダボの位置をもっと寄せればいいと書きましたが上の写真をみてください。

さっそく端にズレが出ています。

なので、今回は応急処置でクランプと端材を使用して強引にズレを直しています。

 

なるべくギリギリの方が端のズレが少なくなると勉強になりました。

 

そしてこちらはウォールナットです。

ウォールナットも端にズレが出ているのでクランプで押さえています。

 

ボンドが乾いたら巾接ぎの完了

タイトボンドは力を加えないのであれば1時間もすればすぐに付きます。

ですが、半日~1日置いておいた方がより安全です。

なので今回はオークとウォールナット2枚制作なので、半日ずつクランプで固定をして組み合わせました。

 

巾接ぎの後は仕上げ工程

仕上げ工程は以下の作業を行います。

  1. 繋いだ材どうしのズレと反りを直すために鉋掛け
  2. 丸ノコで端をカットして揃える
  3. トリマーを使用して面取り
  4. 電動サンダーで表面を研磨
  5. 自然塗料で塗装

では仕上が工程を解説していきます。

ズレと反りを直すために鉋掛け

正確な墨付けと穴あけをしてもどうしても多少の部材どうしにズレが出ています。

また、多少なり反りが出ています。

なので、ズレと反りを直すために鉋掛けをします。

写真に直尺が映っていると思いますが、この直尺を当てて水平を見ています。

正直ここでビタビタに水平を気にして削ってもまた反りは出てくるのであんまり神経質にならなくてもいいと思います。

 

もし、鉋持っていない方は100番もしくは120番の粗目のサンドペーパーを取り付けて電動サンダーで整えるという方法もあります。

 

↓初心者向けの鉋の使い方記事
┗DIY初心者でも分かる鉋の基本知識と使い方

┗コツされ理解すれば意外と簡単 鉋の刃の研ぎ方を解説

┗DIYで台直し鉋を使用しない簡単な鉋台の下端を仕込む方法を解説

 

丸ノコで端をカットして揃える

端のつなぎ目も多少のズレがあるので、丸ノコで切り揃えておきましょう。

もし木ダボを端ギリギリに取り付けている場合はこの丸ノコでカットすることも考えておかないと丸ノコで切った時に木ダボが見えてしまうなんてことがあるので注意してください。

丸ノコで端を切る時に埋め込んだ木ダボが出てこないか確認しておくこと。

 

トリマーを使用して面取り

端を切りそろえたら、面取りをして角を整えていきます。

今回は角面ビットを使用して面取りを行います。

 

↓使用しているトリマーの紹介記事
┗【マキタ3707FCレビュー】木工職人が選ぶオススメのトリマーはこれ

 

角面ビットとはこのようなビットです。

表面を糸面という少しだけ面を取ります。

そして裏側は大きめに面取りしました。

 

トリマーに関してはいろんな便利な使い方があるので、下の記事を参考にしてみてください。
┗【DIY初心者でも簡単に使用できる】トリマーの便利な3つの使い方を徹底解説

┗トリマーを使用して金物に合わせて木材を誤差なくピッタリ掘る方法を解説

┗【ホールソーより楽で正確できれい】配線の貫通穴をトリマーで開ける方法

 

電動サンダーで表面を研磨

ここまで来たら最後に電動サンダーで表面を研磨していきます。

使用している電動サンダーはボッシュのランダムサンダーです。

これに180番のヤスリを付けています。

 

↓使用している電動サンダーの紹介記事
┗【ランダムサンダーのオススメ】木工職人が選んだボッシュのGEX125-1AE

↓ボッシュのランダムサンダーより値段が安くDIYにオススメの電動サンダーの紹介
┗【DIY初心者にオススメ】格安のHolifeのランダムサンダーを木工職人がレビュー

 

サンダー掛けしたら加工作業は全て完了です。

オークもウォールナットを無塗装の時はまだ色が白っぽく見えますがこの後塗装をすることで良い色合いになります。

自然塗料で塗装

では最後に自然塗料で塗装をしていきます。

今回は自宅にあるワトコオイルで塗っていきます。

ナチュラルというのはつまりはクリアです。

 

自然塗料はオイルなので、2度塗りが基本です。

更には1回塗った後に20~30分待ってから余分な塗料を拭き取ります。

その後先ほどは電動サンダーで180番のサンドペーパーで仕上げましたが次は320番のより細かい番手で再度仕上げます。

 

詳しくは新居のカウンターを自分で作った時に書いた記事があるので参考にしてみてください。
┗新居のカウンター材を自分で制作する 塗装編 〜自然塗料の塗り方公開~

 

こちらがオークです。

オークの茶色い感じがいい感じに出ています。

また、木目もいい感じに流れていてきれいです。

 

こちらがウォールナットです。

ウォールナットは材によって色の違いが結構分かります。

写真で言うとランチョンボードの左上に少し節がありますが、逆にいい味を出していて私は気に入っています。

 

木ダボで繋いでランチョンボードを制作する:まとめ

今回はランチョンマットの無垢材版のランチョンボードを制作した時の作業手順を紹介しました。

中でも無垢材を木ダボで巾接ぎという繋ぐ方法をメインに紹介しました。

ダボマーカーは便利ですが、正確に墨付けの技術と穴あけができれば、ダボマーカーはなくても木ダボで繋ぐことはできます。

正確な墨付けができると、いろんな場面で活かされて作品を作る精度が上がります。

 

いつも寸法を測ったり印をするときはメジャーしか使用しないという方は、

この4つの工具を試しに使用してみてはいかがでしょうか?

 

電動工具より手工具は価格が安く購入できるので是非使ってみて下さい。