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【木工DIY】木工職人がDIYで作る、木製簡易ポータブルクーラーの作り方

木工職人がDIYで作る、木製簡易ポータブルクーラーの作り方

こんにちは、Naoto@naoppemanです。

 

今回は作業部屋から木工DIYをお伝えします。

早速ですが、今回制作するのは、

「簡易ポータブルクーラー」

 

持ち運びが可能でエアコンがない部屋や屋外などでもクーラーが使用できるというものになります。

なぜ作ろうと思ったかというと、今DIYをしている作業部屋にエアコンがないからです。

また、この部屋では木屑、木粉がまったりするので家庭用エアコンを置いてもすぐに壊れるかなとも思っていました。

今までは夏になると暑すぎてDIYは出来ていませんでしたが、この簡易ポータブルクーラーを設置すればこれからの夏でも作業部屋が涼しい状態でDIYをすることができます。

 

この簡易ポータブルクーラーは持ち運び可能なので作業部屋での使用だけでなく、キャンプやBBQなど屋外での使用でも活躍しそうです。

 

というわけで、今回はこれから来る本格的な夏に向けて、簡易ポータブルクーラーを作っていきます。

 

この記事の内容はYouTubeチャンネルで動画でも公開しているので、ぜひこちらも見てみてください。

いろんな庭づくりや、木工DIYを中心に公開していくのでよろしければチャンネル登録して今後の動画も見てくれたら嬉しいです!

簡易ポータブルクーラーの材料

ますは簡易ポータブルクーラーの材料を紹介します。

まずは9㎜合板がクーラー本体の箱となります。

そこに発泡スチロールで囲うようにして、凍らせてペットボトルを中に入れます。

今回はとりあえず12本のペットボトルを準備しました。

前後には風をクーラー内に入れるファンと風が出ていく排気口を設置します。

 

ファンは今回コンセントから電源を取るように考えて購入していますが、アダプタを使えばモバイルバッテリーでもファンを動かすことができます。

 

他細かい材料や工具は作る過程で紹介していきます。

簡易ポータブルクーラーの仕組み

それではこの簡易ポータブルクーラーの仕組みについて解説します。

先程も少し説明しましたが、このクーラーは合板で箱を作り内側を発泡スチロールで断熱し、凍らせたペットボトルを中に入れます。

そこに風を送ることで凍らせたペットボトルに触れた風が冷たくなり排気口から出てくるという仕組みです。

 

また、ペットボトルは給気されてきた風が当たった時に湿気を結露して除湿をする効果もあります。

なので、ただ温度を下げるだけでなく湿度も下げてくれるという優れた機能があります。

 

参考記事:「エアコンが苦手な人は必見!「ペットボトル」で“除湿&冷却”ができるって本当?」https://sumaiweb.jp/articles/67927

簡易ポータブルクーラーの製作図

こちらが今回制作する簡易ポータブルクーラーの製作図になります。

よろしければ参考にしてください。

この大きさで500mlのペットボトルが20本ぐらいは入るので、持ち運びを優先するならもう少し小さく作っても良いと思います。

ただ、給気側と排気側の距離が長い方が冷える距離が長くなりクーラーとしての効果が大きくなります。

なので長方形の場合、ファンと排気口は長い方向で取り付けるのが良いです。

合板に排気口の加工をする

それでは簡易ポータブルクーラー作りを開始します。

まずは合板の加工からやっていきます。

排気口に合わせて合板をくり抜いていきます。

排気口に合わせて位置を出していきます。

板や発泡スチロールの厚さを考慮して位置出しをします。

まず角をドリルで穴を開けます。

そうしたらジグソーでくり抜いていきます。

こちらは前回の記事で紹介した中華製のジグソーでマキタのバッテリーが使うことができます。

詳しくは下の記事を見てください。

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マキタのバッテリーが使える格安ジグソーを紹介|Banggoodで購入可こんにちは、Naoto@naoppemanです。 今回はBanggoodで販売されているジグソーのレビュー記事になります。...

ジグソーで加工をする前にジグソーはバリが出やすいのでカッターを使用して筋引きしておきます。

こうすることで合板の繊維が切れてバリが出にくくなります。

それではジグソーでくり抜いていきます。

排気口は切り口を被せるように付くのでこのくり抜きはそれほど精度は入りません。

一通りくり抜いたら、角をしっかり処理しておかないと排気口が引っかかり入りません。

まずは合板の排気口の加工が終わりました。

合板にファンの加工をする

次にファン側の合板の加工をしていきます。

ファンは2連なので横並びにして取り付けます。

墨付けをが終わったらファンの大きさに合わせて円形にくり抜きます。

上手くくり抜けました。

くり抜いた角をトリマーで面取りをしておきます。

角面ビットで面取りをしました。

次もトリマーでの加工ですが、まずは当て板をこのように貼っていきます。

この時の貼り合わせは少し強めの両面テープを使用しています。

ビットは角面ビットから、ガイドベアリング付きのビットに交換します。

これを使用すると先程貼った当て材にベアリングが当たり、当て材に沿って掘ることができます。

それではトリマーで掘っていきます。

このようにファンに合わせてピッタリ掘ることができました。

 

トリマーに関しては過去に色々記事を書いているのでよろしければ参考にしてみてください。

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合板をサンダー掛け

次に合板をサンダー掛けしていきます。

この後組み立てていくのですが、内側などは組んでからだとサンダーを掛けにくいのでこのタイミングでやっておきます

サンドペーパーは中仕上げ程度の180番を使用しています。

内側は発泡スチロールを貼りほぼ見えなくなるのでそれほど丁寧にやる必要はありません。

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合板を組み立てる

合板を組み立てていきます。

固定はボンドと極細のビスを兼用でやっていきます。

ボンドをつけたら、コーナークランプで合板同士を固定します。

微調整はゴムハンマーを使用するとやりやすいです。

電動ドリルとインパクトドライバー2台を使用して下穴を開けてからビスを打ちます。

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ビスはこの極細ビスです。

9㎜合板に使用するので20㎜の長さを使用します。

合板の小口面は9㎜しかないのでしっかりと真っ直ぐ下穴を開けてから割れやビスが飛び出ないように慎重に打っていきます。

たまに横から垂直に打ち込めているか確認してみるといいと思います。

自分では真っ直ぐ打っているつもりでも意外と斜めに打っているなんてことはよくあります。

底板は底板の下に押縁を取り付けます。

ここも9㎜合板の切れ端を使用するので割れ防止でしっかりと下穴を開けておきます。

念の為ビスは多めに打っておきました。

底板にもペットボトルを入れたときにたわまない用に補強を入れておきます。

この時の固定はビスを使用していないので、代わりに両面テープを一部貼ってボンドが乾くまでの仮固定としています。

細かいズレを鉋で削り、角の面取り

箱を組んだときにどうしても若干のズレが生じてしまいます。

そんな時は、鉋の出番です。

鉋を使用すれば微妙なズレを平に削ることが可能です。

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最後の最後でサンドペーパーで再度表面を整えたり、角を面取りしたら塗装をしていきます。

BRIWAXとウレタンニスで塗装

それでは塗装をしていきますが、今回はBRIWAXとウレタンニス2種類を使用していきます。

これはBRIWAXで木目を生かしたワックスの良さのある塗装をして、ウレタンニスを塗ることがで、表面に膜ができてペットボトルから垂れる水に対しての耐水性が向上するかなという狙いがあります。

あとは、単純にこのような組み合わせでの塗装をするとどのような仕上がりになるか興味本位でもあります。

BRIWAXは作業部屋の背面に貼ってあるOSB合板に使用した時の塗料です。

よろしければこちらの内容の記事を一緒に見てみてください。

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まずはBRIWAXから塗っていきます。

先に木に浸透する系の塗料から塗るということです。

今回BRIWAXを塗るときはキッチン用のスポンジを半分に切って使用しています。

20〜30分経ったら余分な塗料を拭き取ります。

合板の表面を見て乾いたなと思ったらウレタンニスを塗っていきます。

ウレタンニスは表面に膜を作るので先に塗った塗料が乾ききっていないと塗装不良になる可能性があるので塗るまでのリードタイムはしっかりとったほうがいいと思います。

ウレタンニスは2度塗りをしていきます。

流れとしては

1回目の塗装

400番のサンドペーパーで磨く

2度塗り

600番のサンドペーパーで仕上げる

となっています。

600番は100均で売っていた耐水ペーパーですが結構使えます。

より重ね塗りして細かいサンドペーパーを使用すればより良い仕上がりになりますが、今回はこれぐらいにしておきます。

排気口をアイアンペイントで塗装

次に排気口も塗装していきます。

この排気口はホームセンターで購入したのですが、羽が横にスライドする機能があります。

ただ、そんな機能はいらないのと、塗装がしにくいということで表面のカバーだけにして後は壊してバラしてしまいます。

それでは排気口はDIY好きの方にはお馴染みアイアンペイントで塗装していきます。

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アイアンペイントを塗ってみたら、思ったより弾いてしまい上手く塗れませんでした。

おそらくこういうツルツルした部材には向かないのでしょう。

というわけで、プライマーを使用していきます。

プライマーとは塗料と部材の密着をよくするための道具です。

こちらもいろんな素材に使用できる万能のプライマーミッチャクロンマルチを使用します。

このミッチャクロンマルチは昨年に物置はをマットチャコールに塗装したときにも使用しました。

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プライマーを持っていない方は塗る部材の表面をサンドペーパーで磨くと表面が荒れるため塗装のノリがよくなりますので試してみてください。

排気口についていた付属のビスをアイアンペイントで塗っておきます。

断熱としての発泡スチロールをカット

それではここから、箱の内側に貼る発泡スチロールを切っていきます。

冷やした冷気を逃さないためになるべく隙間がないように切っていきます。

排気口やファン部分は上手く切り抜きます。

ファン部分の発泡スチロールはこの後結局バキバキに折れてしまいました・・・

ファンの配線処理

それでは、次にファンの配線の処理をしていきます。

こういう線はなるべくスッキリとおさめておきたいところです。

色々考えた結果

底から配線を通すことにしました。

再度ジグソーを使用して溝の加工をします。

同じく底板にも溝を入れておきます。

発砲スチロールはカッターで切ります。

最後の組み立て

それではここから一気に完成まで組み立てていきます。

底板の取り付け

まずはまだ完全に止めていなかった底板を固定します。

ファンの取り付け

底板を取り付けるときにファンの配線も先に通してから固定をします。

ファンを箱に固定をしていきます。

一度カバーを全て外して、カバーを止めていた穴から合板を突き抜けて下穴を開けます。

そうしたら、外側はファンでなく合板にカバーを取り付けておきます。

これで見た目もスッキリしたファン周りになります。

発泡スチロールの貼り付け

発泡スチロールはコーキングを使用して貼り付けていきます。

これは以前の作業部屋に吸音材を貼ったときのアイデアを再度利用しています。

意外とコーキングは接着力があります。

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先ほどもいいましたが、ファン部分の発泡スチロールはこのようにバキバキに折れてしまいました。

なのでここだけは切り貼りで貼っていきます。

ファン下の発泡スチロールは配線が当たる部分だけ切り抜いてから固定をします。

細かい部分もこのように切っては貼ってで対応しました。

再度の天板は蓋の役目があるのでこのように発泡スチロールで閉じれるようにします。

仮ではめてからコーキングを塗り、

天板を取るつけてズレがないように貼り合わせます。

微妙な発泡スチロールで処理はカッターでやれば簡単です。

配線はエポキシパテで固定

箱の底を通す配線は固定をしておかないと線を簡易クーラーが挟んでしまうのでエポキシパテで固定をすることにしました。

よく練ってから配線を固定するようにパテを詰めます。

パテが乾いたらヤスリやカッターで整形をすれば底部分の配線の固定が完了です。

配線をまとめて風量スイッチを固定

最後にファンのスイッチなどを上手いこと取り付けます。

スイッチは両面テープでやりやすい位置で固定しました。

排気口の取り付け

排気口も取り付けます。

取っ手の取り付け

最後に取っ手を付ければ簡易クーラーが完成です。

簡易ポータブルクーラーの完成

というわけで簡易クーラーが完成しました。

こちらが冷たい風が出てくる排気側です。

こちらが外の暑い空気を吸い込む給気側になります。

簡易ポータブルクーラー効果を確認

このファンは風量を3段階で調整ができます。

なのでファンの音を確認するためにも試運転をしています。

ただここら辺はブログだと伝わらないので動画を見ていただければと思います。

それでは実際に凍らせたペットボトルを入れて効果を検証してみようと思います。

とりあえず、3本、2本互い違いに並べてみました。

それでは実際にどれほど効果があるのか温度計を使用して確認してみます。

最初は部屋の温度が29℃ほどありました。

ここから2、3分後、

24℃まで下がりました。

おおよそ−5℃下がったということになります。

これは簡易クーラーの前に置いての検証なので短時間での効果がありましたが、部屋全体も事前に冷やしておけばおおよそ同じ効果が得られるのではないかと思っています。

簡易ポータブルクーラー作り:まとめ

というわけで、今回は簡易クーラー作りでした。

よく簡易クーラーのDIYは発砲スチロールの箱を切り抜いてファンを付ける方法を見ますが、あれだそ正直それほど涼しくならなそうだと思い、自分なりに木工の技術を生かして作ってみました。

簡易と良いなが少し手間は掛かりますが、今回のような合板を利用した作りにすれば大容量で効果が大きく実用的ではないかなと思います。

また、大きさも工夫すれば、キャンプに持って行くことやBBQなどの屋外イベントでも活躍しそうですね。

ぜひ参考にしてみてください。

 

この記事の内容はYouTubeチャンネルで動画でも公開しているので、ぜひこちらも見てみてください。

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