木工How-to 入門編

木材をL型にズレなくビス止めする方法【瞬間接着剤とコーナークランプ】

こんにちは、木工職人で木工DIYクリエイターのNaotoです。

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『木材を切ってビスで固定をする』

おそらくDIY経験者ならだれもがやったことがある作業ではないでしょうか?

 

では、誰もが悩んでいるであろうポイントがこんなことではないでしょうか?

「ビスで木材をL型に組む時に材料どうしがズレて固定しにくい」

ということで今回は木材をビス止めで組む時にズレずにやる方法をご紹介します。

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通常のビスの止め方

まずは通常のビスの止め方をおさらいです。

L字に組むということは、棚など作るときに骨組みを組む時などではないでしょうか?

通常L型に組むということは、片手で押さえて、もう片方の手でビスを打たなければいけません。

 

しかしそうなるとビスを持つことができません。

反対にビスを持つと材料を持てず手が足りません。

 

なので、上手くビスでの固定ができずズレやすくなってしまいます。

 

下穴を片方にしか開けることができない

通常ビスを打ちこむ際は事前に下穴を開けておきます。

しかし、L型に組む時は材料どうしが固定されていないので、最初に打ち込む材料だけにしか下穴を開けることができません。

下穴は、固定する材料どうし一緒に穴を開けることができれば、ビスを打ちこむ際にズレが少なくなるので、本当は固定する材料どうし一緒に下穴を開けた方がいいのです。

 

若干のズレが発生します。

片方しか下穴があけられず、材料を不安定ながら抑えてビスを打とうとするともちろんズレが発生しやすくなってしまいます。

 

失敗したといって一度打ち込んだビスを抜いて再度打ち込んでも、一度材料の穴の開いた方へビスは進んでしまうので、なかなか修正できません。

 

こうなってしまうと、鉋やサンダーでズレを削って処理するなど仕上がりを悪くなったり手間もかかってしまいます。

 

なので、ここから私が教える画期的なビスの打ち込み方をご紹介します。

 

その前にピッタリとズレずに固定するにはきれいに材料を切る必要が絶対的に必要です。

手ノコでカットする方は下の記事で切り方のコツを確認しましょう。

┗ノコギリで垂直にまっすぐ木材を切るコツ 正しい使い方を1から解説

 

ズレずにビス止めする方法 1. 瞬間接着剤を使用する

まず、ズレなくビス止めする方法の1つ目が、瞬間接着材を使用する方法です。

 

「木をくっ付けるときって普通木工用ボンドでしょ?」

と思いますが、これが意外と瞬間接着剤って便利なアイテムなんです。

 

その使い方は瞬間接着剤の直ぐに固まる性質を利用して、仮止めに使用します。

それではやり方を解説していきます。

 

瞬間接着剤の使い方

材料を固定するのに材料の小口側に瞬間接着剤を塗ります。

小口と上の写真のように材料の切り口になる部分のことです。

 

そしてポイントは、多く塗らないことです。

これはあくまで仮止めなので、たくさん塗る必要はありません。

塗りすぎると、瞬間接着剤が邪魔して木材どうしに隙間ができてしまいます。

また、固定した時に瞬間接着剤が溢れてくる可能性があります。

 

なので、材料の大きさにもよりますが、中心から2~3㎝ぐらいを塗れば十分です。

 

瞬間接着剤を塗ったら固定したい材料どうしをくっ付けます。

この時、ぐ~~~と材料どうしを押し付けるのがポイントです。

隙間ができたまま瞬間接着剤が固まってしまうビスで打ち込んでも隙間が埋まることがありません。

なので、隙間ができないよう押さえておいてください。

そして、瞬間接着剤は最初は固まらずに材料どうしを動かすことができます。

なので、瞬間接着剤が固まる前に、材料どうしを微調整で動かしズレがないピッタリの状態にします。

 

そして、瞬間接着剤が固まるまで30秒ほど待ちましょう。

 

下穴をどちらの部材にも一緒に開けれるのでビス止めの際ズレにくくなる

瞬間接着剤が固まれば次は下穴を開けましょう。

瞬間接着剤で仮止めができているので、今回は材料どうし繋がったまま下穴を開けることができます。

 

材料どうしを繋げたまま下穴が開けられればビスを打ちこむ際にズレがかなり少なくなります。

 

下穴があけ終わればそのままビスを打ち込めばL型に材料を固定が完了となります。

写真のようにいったん仮止めしているので、その後もズレることなくビス止めができています。

 

瞬間接着剤の選び方

瞬間接着剤は今では何10種類と商品が発売されています。

 

その中で、今回の仮止めに使用するときなど、木製品に使用するときの瞬間接着剤を選ぶポイントは、ゼリー状か高粘度の種類を選びましょう。

また、木製品用と記載されているものでもいいでしょう。

 

なぜ、一般的に使用するサラサラした液状の瞬間接着剤だとなぜだめなのかというと、液状だと木が瞬間接着剤を吸ってしまい上手くくっ付かないからなんです。

なので、ゼリー状など粘度の高いで木が瞬間接着剤を吸い込みにくくする必要があります。

 

そこで私が使用しているオススメの木材用瞬間接着剤は

コニシ アロンアルフア プロ用NO.5 20gという商品です。

こちらはゼリー状なので瞬間接着剤を木が吸うという心配がありません。

また、ゼリー状なので、こぼれたり垂れにくいので他の材料や床に垂れにくいのも使いやすくてオススメです。

 

上の商品はプロ用なのでもしかしたらホームセンターで売っていないかもしれません。、

そんな時は下の粘度の高い木工用タイプでもいいでしょう。

ポイントは、木が吸い込みにくい瞬間接着剤なら何でもいいです。

言ってしまえば、仮止めなので粘着性など郷土に関しては今回は求める必要がありません。

 

ボンドとの併用も可能

瞬間接着剤は中心2~3㎝付ければ十分とご説明しました。

なので、もし固定の際にボンドを使いたい場合は上の写真のように瞬間接着剤の周りにボンドを塗れば問題ありません。

 

瞬間接着材で本止めではだめなのか?

瞬間接着剤で仮止めをする方法を紹介しましたが、瞬間接着剤で固定しただけではダメなのかという疑問も抱く人が言うと思います。

 

瞬間接着剤だけでの固定ははっきり言ってオススメできません。

なぜなら、瞬間接着剤は振動や、衝撃に対する強度が弱いからです。

 

ボンドは衝撃に対して粘りがありますが、瞬間接着剤は粘りはなく一定の力が加わると簡単にパキって割れてしまいます。

なので、椅子や、机、棚の制作では瞬間接着剤だけだと長期的に強度を保つことことがができません。

 

また、木は乾燥収縮で木材の大きさが変わり、微妙に動きます。

その微妙なサイズの変化にも瞬間接着剤よりボンドの方が耐える力があります。

 

なので、L型にしっかり木材を固定するには、ボンドとビス止めで固定しましょう。

 

補足ですが、ボンドとビスよりも、ホゾやダボなどを使用した方が強度が出ますが、今回はビスでの固定にポイントを置いているので、強度という点でボンドと、ビス止めが良いとしています。

 

のちのちホゾ加工などの記事も作成しますのでお楽しみに。

 

ズレずにビス止めする方法 2. コーナークランプを使用する

次に瞬間接着剤以外の方法をご紹介します。

それはコーナークランプを使用することです。

コーナークランプってご存じですか?

私の持っているコーナークランプは上の写真のものですが、簡単に説明すると部材と部材をL型に固定するクランプのことです。

 

ではコーナークランプの使い方を解説していきます。

 

コーナークランプの使い方

コーナークランプは材料と材料をL型に固定するクランプです。

写真のように材料の両側から2つのクランプを使用して固定をします。

なので、このクランプは最低2つは持っていたいところです。

 

固定をする前にボンドを塗ってから固定してももちろん問題ありません。

 

ただ、コーナークランプで固定をすればピッタリでズレがないわけではないんです。

微妙なずれがでるので、その調整はクランプの締め加減や、軽くたたくなどしてピッタリの状態に合わせる必要があります。

 

ただ、ピッタリに合わせることができたら、あとは下穴を開けて、ビスを打ちこめば、瞬間接着剤と同じくズレなくビス止めができます。

 

箱ものを製作するのにコーナークランプはオススメ

上の写真のような箱ものを制作しようとすると2か所や4か所を一気に組んだりする場合もあります。

その時にコーナークランプは大活躍です。

 

クランプなので少しずつ締めていき4つ角を少しずつ時間を掛けて調整して固定をしていけます。

このように箱ものを制作するときはちゃんと90度で組めているか歪みを確認することが大切ですが、コーナークランプなら角度を確認しながら調整もできるのに非常に便利です。

 

写真の家具を制作しているときは私はコーナークランプを4つしか持っていませんでしたが、4つ角全てコーナークランプを使用するなら8つは必要になります。

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瞬間接着剤とコーナークランプの使い分けは?

瞬間接着剤とコーナークランプ2種類の方法をご紹介しましたが、どう使い分ければいいかを解説します。

簡単に言うと幅の広い材料はコーナークランプ、幅が狭く細い材料程瞬間接着剤がオススメです。

 

なぜかというと、幅が広い材料は狭い材料に比べて仮止め時にズレを無くす時間がどうしてもかかってしまいます。

なので、幅広い材料に瞬間接着剤で仮止めをしようとすると合わせる前に瞬間接着剤が固まってしまいます。

 

反対に細い材料だとクランプが大きすぎてやりにくく、調整がしにくいので瞬間接着剤を使用しましょう。

 

だいたいですが、幅が10㎝を超えるようならコーナークランプの方がいいでしょう。

 

木材をL型にズレなくビス止めする方法:まとめ

今回は2種類の方法で木剤をL型にズレなくビス止めする方法を紹介しました。

1つ目が瞬間接着剤を使用した方法、2つ目がコーナークランプを使用した方法です。

 

使い分けは、

10㎝未満なら瞬間接着剤、10㎝以上ならコーナークランプを使用するのが1つの目安とするのがいいでしょう。

 

この2つのの方法ですが、やり方は違えど考えは同じですね。

ようは、「ビスによる本止め前に仮止めをすることで下穴を的確に開けてビスを打ちこむ」ということです。

 

今回は「仮止め」がポイントだったということです。

 

これからは、しっかり仮止めをすることでズレのないビス止めの固定をしてDIYのレベルが上がっていただければと思います。